学生の声

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進路の方向性

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バイオ・ヒューマンサイエンス産業では、多様な職種の需要が国際的に拡大し、視野の広い人材が求められています。また、教育・研究機関への就業機会も増えています。本専攻では、理・工・医を共存させた新しい概念の研究教育環境を提供しており、国際的視野を持つ博士後期課程修了者を期待する社会からの要請にも応えています。

伊藤研究室

大池 輝

私は現在、同種においてXY型とZW型の2つの性決定機構を持つという大変興味深い特徴を持つツチガエルを使って「脊椎動物の性決定・性分化機構の解明」について研究を行なっております。このツチガエルはマウスやゼノパスなどの実験動物ではなく、野生種であり実験に使うサンプルを自然から得る必要があるという難点がありますが、私はこの点に研究のやりがいを感じています。将来は自分の研究室を持ち、ツチガエルのような実験動物では実現できない野生種を使った研究に取り組みたいと考えています。

戸谷 勇輝

私はヨーロッパモノアラガイ(Lymnaea stagnalis)という淡水産の巻貝を用いて、栄養状態が学習記憶に影響を与えるメカニズムの解明に取り組んでいます。これまでに、栄養状態によってセロトニンシグナルが変容することが明らかになり、そこにインスリンシグナリングが関与していることも示唆されています。今後は、セロトニンとインスリンの、より具体的なシグナルクロストークや、飢餓状態の差による学習能力のスイッチングメカニズムに迫っていきたいと思っています。

梅津光生・岩﨑清隆研究室

戸部 友輔

私は生命理工学専攻、梅津光生・岩﨑清隆研究室の博士課程3年で、東京女子医科大学にも研究生として在籍し、現在は再生医療の研究に従事しています。学部、修士課程で学んできた機械工学の知識をバックグラウンドとして、医師やマテリアルの研究者、そして企業の方と医工連携の研究課題に取り組んでいます。具体的には、臓器特異的な機能や構造を有する立体組織を生体外において構築する手法の開発を行っており、将来的に患者様への移植や新規薬剤開発促進のためのスクリーニングモデルとしての応用を目指しています。博士課程の3年間では自分のバックグラウンドであるエンジニアの側面から、体外で立体組織を作製するために必要な培養手法を検討したいと考えています。

高田 淳平

私は生命理工学専攻岩﨑清隆研究室の博士課程2年生です.学部時代は機械工学科に在籍しており,エンジニアとしての基礎的知識を学んでおりました.現在は機械工学的知識を基に,心臓弁の血液拍出量を生体外で評価する実験を医師と共同で行っております.岩﨑研究室全体としては医療機器の開発を迅速化するため生体外で定量的に評価する医工学的融合研究を行っており,私も将来的には医療機器の開発もしくは審査に関われるように,博士課程のでの3年間研究に従事したいと考えています.

大山研究室

荒井 直樹

私は“食虫植物の消化酵素の起源と進化”について研究を行なっています。食虫植物は捕らえた獲物を消化酵素により分解し、その養分を吸収することで貧栄養な土壌に適応しています。私は、モウセンゴケの一種であるDrosera adelaeを対象に、消化液中に含まれるタンパク質の特徴、それらの遺伝子構造、発現様式などを解析しています。これまでに、消化酵素の起源は自己防御タンパク質であり、それらは遺伝子の発現制御機構とタンパク質構造の一部を変化させることによって、消化酵素として利用されていることを明らかにしました。

山本 裕

DNAは生物の情報を子孫に受け渡す遺伝物質として知られていますが、一方でDNAは高分子化合物の性質も持っており、その高次構造も遺伝情報として生命現象に重要な役割を果たしていると考えられています。私は、一般によく知られている二重らせん構造とは異なる構造を持つ、DNAの特殊構造を対象に研究を行なっています。この特殊DNA構造は、生体内に多数存在することが知られていますが、その機能の大部分は未だ明らかになっていません。DNAを生物学・化学・物理学の側面から見ることで特殊構造の機能を明らかにしようと試みています。日夜、世界にインパクトを与える研究者を志して、研究活動に励んでいます。

加藤研究室

小川 斐女

私たちの血液中には赤血球、白血球、血小板が流れています。さらに白血球は自然免疫を担う顆粒球と獲得免疫を担うリンパ球に分けられます。魚類では動物種によって顆粒球を何種類もつかが異なります。私は顆粒球を好中球しかもたないメダカを用いて、顆粒球の種類が少ない魚ではどのような免疫応答が起こるのかについて研究しています。メダカの血液については知見も技術も少ないため、採血法や血球の計数法といったところから確立しなくてはならず大変ですが、工夫を施してワクワクしながら取り組んでいます。

生物種の枠にとらわれずに生命科学の発展に貢献できる研究者になりたいと思っています。

斉藤 友幸

近年,肥満や糖尿病等の生活習慣病を背景としてNAFLD(nonalcoholic fatty liver disease:非アルコール性脂肪性肝疾患)を発症する患者が急増しています。NAFLD患者の一部は脂肪肝に加えて炎症及び肝細胞変性を伴うNASH(nonalcoholic steatohepatitis:非アルコール性脂肪肝炎)を発症します。NASHは肝硬変や肝がんにまで進展することがある臨床的に重要な疾患ですが,NASHを適応とした治療薬は承認されておらず,有効性のある治療法は見出されていません。その理由の一つとして,脂肪肝からNASHへの発症や肝線維化進展のメカニズムが十分に解明されていないことが挙げられます。私は博士課程においてNASH動物モデルを用いた病態生理学的解析を通じて,NAFLD/NASHの複雑な病態メカニズムの解明に取り組んでいます。

園池研究室

三角 将洋

私は微細藻類を用いて、呼吸と光合成の相互作用について研究しています。原核光合成生物である藍藻では呼吸系から光合成系に電子が流れることによって、弱光下や暗所で光合成効率が低下します。また一部の真核藻類でも同様な現象が知られ、葉緑体呼吸と呼ばれています。光合成生物にとって光の効率的な利用が求められると考えられる暗い環境下にて、光合成効率の低下を引き起こす「呼吸が光合成に与える影響」は大変不思議な相互作用です。この相互作用は陸上植物では見ることができない一方で、微細藻類では幅広く見られることから、陸上進出の際の光合成生物の進化に大きく係わっていると考え、解明を目指しています。

富永研究室

久保田 一輝

本研究室では植物の細胞内輸送システムを分子から個体レベルまで幅広く解析することで輸送システムの解明を試みており、最終的には植物の成り立ちを理解することを目標としています。私は植物の環境応答や作用機序に興味があり、これらを幅広く研究することに魅力を感じ本研究室を志望しました。

 生命理工学専攻は生物系から工学系などの多様なバックグラウンドを持つ生徒が在籍しています。このため、様々な生徒と交流を持つことで、研究のモチベーションを高く持ち続けることができ、今までとは違う視点で研究を考えることもできます。